中流家庭が陥りやすい老後破綻の話
老後破綻とは、家計を支えている大黒柱が年齢による定年退職やリストラなどにより、これまでの収入がなくなることで、老後の生活資金が足りなくなってしまうことを言います。
多くの人は、働き盛りのとき、すなわち20代から50代であまり貯金を作れなかった人が、この老後破綻に陥りやすいと考えるだろう。
しかし、現代日本において、もっともその危機に晒されているのは『中流家庭』の人々であると言われている。
中流家庭とは、およそ世帯年収が700万~800万円の家庭のことである。
日常的な贅沢などはできないが、貯金や学費、たまにちょっとした旅行などができるし、ローンも組めるし、お金に困るということはあまりないという家庭だ。
おおよそ、老後破綻に陥るようには見えないのだが。
金銭的に余裕があること
彼らの多くは、金銭的に大いに余裕を持つことが多い。
周りの人々の中でも、少し多めにもらっているからか、自分がお金持ちだと錯覚してしまう。
もちろん、自分よりも収入のある家庭はあるが、それは少数である。
日本の平均世帯収入は550万円ほどで、中央値は450万円程であるから、彼らが自分がお金持ちに感じるのは、当然であると言えば当然かもしれない。
しかし、それは誤りである。
彼らは金銭的に余裕があるからか、慢心している。
他の人よりも少し多くもらっているからといって、自分がこれからお金に困ることはないと思いがちだ。
実際には、彼らの貯金や収入では、老後に問題が起こればすぐに老後破綻が見える。
慢心せず、賢くなければ中流家庭といえども破綻は免れない。
天狗になった中流家庭
中流家庭は周りよりちょっとお金持ちだからか、無駄な出費が多い。
子供は私立校に、塾に。
家は35年ローンでちょっと豪華に。
車はハイブリッド。
たまにはブランドものを。
家電は省エネタイプの最新版。
物価は高いけど都市部にすむ。
これらは多くの中流家庭にあてはまることだと思う。
お金があるのだから、ちょっと贅沢しなきゃ。
上の点はどれもささやかな贅沢だろう。
家などは高価だが、一生に一回だけだからいいだろう。
車も十年に一回くらいしか買い替えないのだからいい物を買おう。
そう思うのが中流家庭の特徴だ。
外食は、普段は食べないステーキハウスで食べようか!
そんなことを言って、彼らはまた無駄遣いをするのだ。
中流家庭が老後破綻する原因
上で述べたように、中流家庭の人々の緩み切った財布の紐は、老後になってもなかなかしまらない。
ガバガバである。
だから、老後も働いてきた自分のご褒美といって、旅行などに繰り出す。
お金がたくさんあるし、保険もたくさん入っているし、年金だってたくさんもらえる。
だから大丈夫だと疑わないのだ。
しかしだ。
そのような生活をしてきた、彼らの貯金といっても5000万程が多いところだろう。
多い人でも6000万程ではないだろうか?
それは人にもよるのだが、これくらいの資産など、何か不幸なことやアクシデントがあるだけで、あっという間になくなる程度のものだと考えた方がいい。
まず、老後の人生で一人当たり1,700万~3,200万円 がゆとりある生活に必要な資金であると言われている。
そのため、金遣いの荒いままだと、二人で6400万円の資金がなければいけない。
これは健康なままである場合であるから、もしもガンなどになった場合は、数百万円ほどが必要になる。
配偶者の片方が要介護となったら、介護施設に通うことも考えなければいけなくなるかもしれないし、老人ホームへの入居も考えるかもしれない。
そうなれば、二人で合わせて8000万くらいかかるのだ。
どう考えても、中流家庭の人々は貯金できない金額である。
つまり、中流家庭の人々は老後に安心して、それまでの生活ができるほどの資金はないと考えた方がいい。
老後破綻しないようにするためにはどうすればよいか
まず、今までの自分の生活を見返すことから始めればよいだろう。
外食の頻度、購入する物品の値段やグレード、食料品の値段、旅行、貯金額などを収入とかと照らし合わせて、自分に見合っているのか考えてほしい。
例えば、その生活が老後にも続けていられるだろうか、と考えればわかりやすい。
収入は年金だけで、月に20万程の収入と貯金で20年間暮らせるだろうか?
そう考えてだめだと思うなら、もう少し節約すればよいのではないだろうか?
はっきりと、こうすればよいという方法はない。
ただ、日ごろから考えてみることが、老後破綻に陥る可能性はずっと減らす方法だ。
考えていれば、自然と自分から調べ始めて、自分に適した方法を見つけられるだろうからね。
気になるなら、相談所とかで相談とかしてもよいのではないだろうか?
こういったサービスも存在する。
終わりに
僕の家庭も中流階級だ。
ただし、数年前に不幸事があり、こういった老後の資金については母と話すことが多い。
母は十分な額をためていると僕には言うが、僕は信用していない。
というのも、母は前述の天狗になった中流家庭の項目で述べた、条件にそっくり当てはまるのだ。
しばらくは独り立ちをしたあとも、母の動向に目を光らせなければ。
母が老後破綻する姿など絶対に見たくはない。